
巷では「糖質制限」が健康やダイエットに良いと喧伝されていますが、本当に見直すべきは炭水化物の摂取量ではありません。戦後の間違った食の教えにより、本来日本人が摂取すべきものを控え、代わりに摂取している「四毒(よんどく)」こそが、現代の病気の根本的な原因となっているのです。
「四毒」とは、小麦粉、植物性油脂、乳製品、甘いものの4つを指します。これらを排除せずに行う安易な糖質制限は、かえって体に害をもたらす可能性があります。健康と真の体質改善を目指すなら、まずはこの四毒を「ズバッと完全に」やめることが重要です。
1. 炭水化物(ブドウ糖)は体の主要なエネルギー源
私たちの体は、最終的にブドウ糖(C6H12O6)をエネルギー源として動いています。これは車にとってのガソリンと同じです。ご飯などの炭水化物は、口の中で唾液中のアミラーゼという酵素によって麦芽糖に分解され、さらに小腸でブドウ糖となって初めて体内に吸収されます。
しかし、清涼飲料水やエナジードリンク、ケーキなどの「甘いもの」を口にすると、ブドウ糖が口腔粘膜から瞬時(0.何秒単位)に吸収され、血糖値が急激に上昇します。これにより、血糖値を下げるためのホルモンであるインシュリンが大量に分泌され、血糖値が下がりすぎて「低血糖」を引き起こします。
低血糖になると、体は再び血糖値を上げようとしてグルカゴンというホルモンを分泌します。グルカゴンは、内臓や筋肉を分解してブドウ糖を作り出すため、結果としてだるさ、疲労感が強くなります。甘いものを食べた後に眠くなるのも、血糖の上がり方が早すぎるためです。
2. 糖質制限の歴史的誤解と危険性
日本では何千年、何万年もの間、米を中心とした食生活が営まれてきました。戦前(1945年より前)の日本人は、女性で平均3合、男性で平均5合ものご飯を食べていましたが、当時は質素な一汁一菜の食生活であり、ほぼ肥満者はいませんでした。当時の漬物には、現代の50倍ものビタミンやミネラルが含まれており、栄養価が高かったのです。
しかし、戦後GHQの食料転換政策により、アメリカの農産物市場拡大のため、日本人は小麦、植物油、乳製品を強制的に購入・摂取させられるようになりました。この政策の下で、米食は栄養不良になるといったネガティブキャンペーンが張られ、パン食や油を使った料理(フライパン運動)が推奨されたのです。
現代の「糖質制限」ブームは、この歴史的な背景と、精製された甘いものの害を、本来日本人が食べてきた米を中心とした炭水化物全体に誤って適用している側面があります。
3. 人工的な制限は体に「毒」
極端な糖質制限は、体内で糖新生を人工的に引き起こすことになります。これは、グルカゴンやコルチゾールといったホルモンを使って、脂肪やタンパク質を分解し、ブドウ糖を生成する働きです。この状態が続くと、体は毒状態になり、健康的ではありません。
また、「糖質制限」を謳うダイエットの多くは、米を減らした分、肉や脂質(特に植物性油脂)の摂取が増える傾向があります。
特に植物性油脂は危険です。植物性油脂(不飽和脂肪酸、オメガ6)は酸化すると「アルデヒド」という毒素に変わり、これが血管内に入り込むと、血管の内壁を傷つけます。体はこの傷を修復するために血小板を使って「カサブタ(血栓)」を作り、これが動脈硬化の原因となり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。
植物性油脂はまた、体内で悪性リンパ腫などの腫瘍の原因となる可能性が指摘されています。特にマーガリンやコーヒーフレッシュ、ラクトアイス(アイスクリーム)などは、植物性油脂に水素を添加して固めたものであり、これはプラスチックそのものを食べているようなものだと指摘されています。
4. 痩せるための鍵は「四毒抜き」と「咀嚼」
健康的に痩せるための基本は、摂取カロリーと消費カロリーの差を考慮することですが、最も重要なのは「毒物を体内に入れないこと」です。四毒(小麦粉、植物性油脂、乳製品、甘いもの)を完全に断つことこそが、多くの不調や病気の原因を除去する最優先事項です。
また、単にカロリーを制限するのではなく、食べる量自体を減らすことが大切です。そのためには、よく噛む(咀嚼する)ことが重要です。よく噛むことで唾液腺からIgA(免疫グロブリンA)が分泌され、これが体に必要な食品に付着し、小腸での吸収を助けるというメカニズムがあります。
ご飯(特に玄米)は自然とよく噛む食品であり、またグルテンのように「快楽報酬系」に入り中毒になる性質がないため、腹八分目で食欲が止まります。一方、ラーメンやスパゲッティなどの麺類はほとんど噛まずに飲み込んでしまうため、満腹中枢が働かず過食につながりやすいのです。
結論として、誤った知識に基づく糖質制限を行うよりも、四毒(小麦粉、植物性油脂、乳製品、甘いもの)を完全にやめ、代わりに米を主食とした日本の伝統的な食生活に戻すことが、健康への最短経路であり、体質改善の絶対条件なのです。